卵はなぜ固まるの?卵の特性のひみつ vol.3『熱凝固性』

たまごかけごはん、卵焼き、シフォンケーキ、マヨネーズ・・・。食卓に欠かせない卵ですが、どうしてこんなにも多様な料理で重宝されているのでしょうか?

これまで2回に渡ってその秘密を解き明かしてきましたが、卵の特性のひみつシリーズも今回が最終回となります。

今回は「熱凝固性」についてお話したいと思います。

Vol.1:「起泡性」についてはこちら ⇒Vol.2:「乳化性」についてはこちら

 

目次

  1. 卵の熱凝固性とは?
  2. 熱凝固性を利用した料理
  3. 黄身が星形?!「デコゆで卵」の作り方

 

 

1. 卵の熱凝固性とは?

卵には多くのたんぱく質が含まれているのは、皆さん知っていますよね!
たんぱく質に熱を加えると、固まるという性質を持っています。これを「熱凝固性」といいます。
卵焼き、茶わん蒸し、プリンなどが固まるのは、卵の「熱凝固性」のおかげです。

卵の熱凝固が働く温度は、卵黄と卵白で違いがあるのは知っていますか?
卵黄は65℃前後から凝固が始まり、75℃以上で完全に凝固します。
一方、卵白は60℃前後から凝固が始まり、80℃以上で完全に凝固します。

このように凝固する温度に違いがあるのは、卵黄と卵白とで含まれるたんぱく質の種類に違いがあるからなんです。

卵黄に含まれるたんぱく質は「リポたんぱく質類」が多いのに対し、卵白には「オボアルブミン」というたんぱく質が多く含まれます。

 

2. 熱凝固性を利用した料理

ゆで卵、温泉卵、卵焼き、オムレツ、茶わん蒸し、プリンなどは、「熱凝固性」を利用した料理の代表です。

中でも、卵黄と卵白の凝固温度の差を上手に利用した料理が「温泉卵」。

温泉卵は、黄身が固まる65~70℃のお湯に卵を長時間つけて作ります。そうすると、黄身は固まりますが、白身は完全に固まってない状態に仕上がります。

また、熱が伝わる時間差を利用したものもあります。それが「半熟卵」です。
卵を沸騰したお湯に入れると、まずは白身に熱が伝わり、その後卵黄に熱が伝わります。
卵黄に熱が伝わる前に加熱をやめることで、卵白だけがしっかりと固まった状態になり、卵黄がトロっとした半熟卵が出来上がります。

 

3. 黄身が星形?!「デコゆで卵」の作り方

卵の熱凝固性を利用すれば、こんなかわいいゆで卵を作ることが出来ます!

【デコゆで卵】の作り方

<材料>3個分

・卵・・・3個

<用意するもの>

  • お好きな型抜き(直径3㎝程度のもの)・・・1~3種
  • シリコンカップ(上部の直径が5㎝程度のもの)・・・3つ
  • フライパン
  • フライパンの蓋
  • 爪楊枝

<作り方>

① 卵を割って卵黄と卵白に分け、卵白はシリコンカップに入れる。(シリコンカップ1個につき、卵白1個分。)

卵黄は計量カップ(など注ぎ口のある入れ物)に入れ、箸などで混ぜて溶きほぐす。

② フライパンにシリコンカップの半分ほどの高さの水を張り、火にかける。

③沸騰したら弱火~中火(ふつふつと煮立つくらいの火加減)にし、①のシリコンカップを入れ、蓋をして5分蒸す。

④蓋を取り、白身が固まっていたら一度火を止める。白身の中央に来るように型抜きをおいて型を抜き、内側の白身を小さめのスプーンで取り除く。(※やけど注意!!)(この時の白身は、たまごサラダなど別の料理に活用してね。)

⑤穴が開いた部分に黄身を流し込む。再度火にかけて、沸騰したら弱火~中火(ふつふつと煮立つくらいの火加減)にし、蓋をして2~3分程蒸す。

⑥黄身がお好みの固さに固まったら、冷水を張ったバットにシリコンカップを移して冷ます。冷めたらシリコンカップの周りを爪楊枝でなぞり、崩れないようにゆっくりと丁寧に剥がせば出来上がり!

 

ぜひお好きな型で試してみて下さいね!
特に、お子さんは大喜びすること間違いなし!!

 

どんな鶏卵を使っても作れますが、
「せっかく作るなら美味しいゆで卵が食べたい!!」
という方は、ぜひ幻の卵屋さんへお越しください!

卵のソムリエ、“タマリエ”がゆで卵に合うとっておきの卵をお選びします。お気軽に店員にお声がけください。


3回に渡ってお送りしてきた卵の特性のひみつシリーズ、いかがでしたか?

卵には素晴らしい特性が備わっていることが分かりましたね!

これからも卵のいろんな性質を利用しながら、卵料理をたくさん楽しんでいきましょう!